発達障害の権威・平岩先生と笹田先生が監修

平岩 幹男

医学博士。Editorial board: Austin Journal of Autism and Related Disorder。

発達障害にかかわり続けて、これまでに多くの子どもたちと出会ってきました。

1976年東京大学医学部医学科卒業。三井記念病院小児科、東京大学医学部研究生を経て帝京大学医学部小児科助手~講師。1992年戸田市立健康管理センター母子保健課長~参事・健康推進室長。2009年Rabbit Developmental Research開設(代表)。2012年~2019年国立成育医療研究センター理事。

専門領域:発達障害(自閉症)、乳幼児健診、思春期医学など。著作多数。


平岩幹男先生よりメッセージ

くやしかったあの日を忘れたい

うまくなってほめられたい

 

座ることはできるけれども、すぐに姿勢が崩れる、立っているとすぐに何かによりかかる、そういう子どもたちを目にしたことはありませんか?発達性協調運動障害は全体的な発達の中で、体をバランスよく使うことが苦手なので、そうした子どもたちは実はこれだったのかもしれません。子どもたちの5%(男子に多い)程度と考えられていますが、わが国では知られていないために「気合が足りない」「集中していないからだ」などと精神論で片づけられることが多かったです。また運動系では再現性の高いトレーニング方法がなかったために、有効なトレーニングも国際的にもありませんでした。今回は私たちが監修してMixed-Reality: MR)を用いた、再現性の高い、ゲーム形式のトレーニングを開発しました。そして運動の苦手な子どもたちに3か月のトレーニングをして、ゲームの得点も姿勢保持も改善することが明らかになりました。悩んでいる子どもたちの役に立つことができればと願っています。


笹田 哲

作業療法士。修士(心理学)、博士(保健学)。

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科 学科長・教授。

横須賀市支援教育推進委員会委員長、横須賀市障害福祉計画検討部会部会長。NHK特別支援教育番組『ストレッチマンV』番組企画委員も務める。

受賞歴:日本作業行動学会 優秀研究賞。日本作業療法士協会 学会演題優秀賞。

作業療法と学校・園を数多く訪問して、発達が気になる子どもたちの支援に取り組んできた。著書多数。


笹田哲先生よりメッセージ

「苦手」を「できた」に変えるために

 

「できないのは体験不足だから」ということをよく耳にします。体験不足、それで話が終わってしまうことがあります。体験させれば、そのうち自然とできるようになるのでしょうか。 体験させるとは、どんなことをさせるのでしょうか? 筋力強化トレーニングや体幹トレーニング、体育プログラムなど、色々ありますが、、、、、能力以上の運動課題では失敗して自信をなくしてしまいます。子どもにとって、ちょうどよい運動課題を見つけ、楽しく継続できるトレーニングが求められます。その1つがトレキングです。トレキングを活用することで、苦手だった運動ができるようになり「小さなできた」が実感できるようになり自信が生まれます。いきいきと自ら体を使っていきます。体を使うことは、こんなに楽しいものなんだなぁと、子どもたちに、もっともっと感じてほしいと思います。