発達性協調運動障害って何?

発達協調運動障害(DCD)とは、どういうものなのか?どんなふうにトレーニングをすると効果が期待できるのか?トレキングの監修をしていただいた、発達障害の権威である平岩幹男博士と笹田哲教授にお話を伺いました。


姿勢が保てない。動作と動作がうまくつながらない。

子どもたちの事例
発達性協調運動障害の子ども達の事例

「運動」障害という言葉から「スポーツ」が苦手というイメージをしてしまう方も多いかもしれません。発達性協調運動障害は、生活に必要な体の動き=運動に障害を抱えることなどを表します。「食事中に姿勢を保てない」「立ったままパジャマのズボンがはけない」「歩くと人や壁などにぶつかってしまう」などの症状があります。

約5%の子どもたちが障害を抱えています。
約5%の子どもたちが障害を抱えています。

発達性協調運動障害は、小学生に多く見られ、7歳くらいの児童の場合約5%。つまり1クラス35人学級の場合、3クラスに1人ほどの割合の児童が抱えている障害です。

従来の発達性協調運動障害に対する取り組み

発達性運動障害に対する取り組みは今までも行われてきているのですが、多くの取り組みは「運動に挑戦する」ものが多く、そもそも体をコントロールすることが苦手な児童に対し失敗体験を増やすことが多く、自己有能感が低下し諦めてしまうことが多いという問題があります。

体の不器用さを抱える子どもに対して運動に挑戦する取り組みが行われているが…
体の不器用さを抱える子どもに対して運動に挑戦する取り組みが行われているが…

まず土台となる「姿勢」を1段階目とし、第2段階として両手運動を交えていく、姿勢と手がコントロールできるようになったら第3段階として眼球運動や両目で見るということなど、そして第4段階目で統合した認知と、この4つのパートにあわせた取り組みをしていくことが重要ということです。

小さな成功体験が重要
小さな成功体験が重要

トレーニングで需要なのは「小さな成功体験」。子供に「やる気」を引き出させる「楽しく笑顔を引き出すような取り組み」が大切だということです。


新しいトレーニングの方法
新しいトレーニングの方法

また今までのトレーニングは「再現性が乏しく」どこにどのような問題があるか?を科学的に分析することが難しかったそうです。

ミックスリアリティ
ミックスリアリティ

トレキングによって、プロジェクションマッピングとKinectセンサーでのモーションキャプチャにより、どのようなトレーニングをしたら効果に結びつくのかを、再現性をもった調査・分析が行えるものとなりました。

療育での導入イメージ
療育での導入イメージ

トレキングは動作をモーションキャプチャで認知し、児童がどのような動きをしているかを分析。どのようなトレーニングで、どのような効果が出るのかの因果関係があるのかという領域に踏み込むことを可能にしました。

またゲーム感覚で、楽しみながらトレーニングができるので効果も期待できるという両面を持っています。

成功体験
成功体験

「楽しく」「笑顔」を引き出すような取り組みが大切だということです。


平岩博士による解説動画(3分48秒)

笹田教授による解説動画(2分50秒)